1.『わかりあえないことから』平田オリザ
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コミュニケーションに関する本だけれど、アメリカ式の自己啓発としてのコミュニケーション論とは全く違うアプローチがとられている。日本文化、日本語に根ざしたコミュニケーションの話だ。
加えて「最近の若者はコミュニケーション力が足りなくてけしからん」という大人たちに同調する論でもない。若者が頻繁に使う「かわいい」という日本語は上下関係を意識しない唯一の褒め言葉だ、という独自の視点も織り交ぜられていて、全てのページにおいて興味深い。視点が優しい。
日本語が好きな人、コミュニケーションについて思うところのある人には強くおすすめできる。ちなみに著者の平田オリザ氏は映画化もされた小説『幕が上がる』の原作者であり、本書を読んだ後に『幕が上がる』を読むなり観るなりすると、その物語に込められた意味を深く感じることができる。
2.『天才はあきらめた』山里亮太
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単なるタレント本として片付けてしまうにはあまりにももったいない。圧倒的な努力の人である山里亮太氏(南海キャンディーズの山ちゃん)の生き様が何の衒いもなく書き表されている。自分の心の中の汚い部分や醜い部分、他人に対する酷い行いについて、おいおいここまで書くかよ、と思った。
特筆すべきはその文章の素晴らしさである。出版事情については私には詳しくわからないものの、これをゴーストライターではなく山里氏本人の筆で書き上げたのだとしたら相当な文才だ。これ以上に読みやすく且つおもしろい文章はなかなかない。
3.『習慣の力』チャールズ・デュヒッグ
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習慣とは「きっかけ→ルーチン→報酬→きっかけ→...」のサイクルのことであり、「一つの良い習慣を身につけることで連鎖的に他の良い習慣も身につけることができる」ことが豊富な事例と科学的な知見で書かれた唯一無二の良書。
ビジネス書としてではなく、読み物としても断然におもしろい。ストーリーテリングがまるで秀逸なミステリ小説のように巧みであるし、日本語訳は非常に読みやすい。
習慣をテーマにした本には、例えば『スタンフォードの自分を変える教室』『やってのける』『意志力の科学』など枚挙に暇がないけれど、それらを読んでいたとしてもこの『習慣の力』は2冊目、3冊目として強くおすすめできる。